「獣物」の制作について
2014年に富山県黒部市美術館で開催された清河北斗/平井千香子展「獣物」にあたり会場レイアウトをお互いに考えていた際、自分の彫刻に平井さんが絵を描くというような作品が一つあってもいいなと思い自分から提案しました。
「勝手に彫刻作るから好きなように絵を描いてみない?」というような言葉だったと思います。お互いの作風に興味があり、またいつも挑戦的な平井さんが断る訳もなく快く承諾してもらい、自分は一足先に彫刻制作に入りました。
彫刻が完成して平井さんに渡した後の搬入までの数ヶ月、一度も経過を見ることもなく搬入時に初めて完成作品と対面しました。
自分の想像以上の迫力で、思わず膝を打ったのを憶えています。
当初お互いに話していたのは「コラボって好きじゃない」ということ。制作過程での打ち合わせもなくお互いが勝手に試みるということに重きがあったかと思います。
そんな流れで制作された作品「獣物」。立体物に描く絵画の可能性を感じながら、その背中から放たれる物語を感じていただければ幸いです。
2017/12 制作代表 清河北斗